オリジナル 7-100 The Red Label のパッケージだよ>

ごく初期の、5,000番台に使われたパッケージを公開します。渋いっ!

リイシュー7-100Rが “縦置き”の箱に対して、オリジナル7-100が横置きの箱なのは対照的です。

 

何となくオリジナル7-100 の雰囲気は「お願いしないと出してもらえない、楽器屋さんの在庫棚」的で、リイシュー7-100Rは「カゴに入れて買える量販店の店頭モノ」っぽくありませんか?

右下の写真のとおり、段ボールの組み合わせによって、本体は箱の中で“浮く”ように作られています。発泡スチロール等のパッキンを使わず、当時からとてもエコなパッケージであったことがわかります。このボックス・ラベルはステッカーにしたいなぁ…

ちなみに近年の箱は更にポップ?な変身を遂げています。

これぞ「化粧箱」!

ドン○ホ-○やToys“○”Rus に行くと、山積みになってそうですね(笑)。

デザインと内容物(7-100R)とのギャップを感じます。

 

でも何時から 7-100R は 7100 になったのでしょうか?

< Instructions(取扱説明書)の変遷>

Pibnoseアンプの Instructions は、驚くべきことに発売時から殆ど変わっていません。

というのは内容のことで、紙質や色、大きさには微妙な変遷は生じています。

 1.Red Label(U.S.A.製 5千番代)のもの → 左側

 2.Black Label ~ White LabelⅠ(香港製後期)のもの → 中央

 3.White LabelⅡ(最新の中国製)のもの → 右側

内容で最もちがうところは、左端中央にある「電池の向き」を示した図が 2以降で省略されていることです。
結構、重要な項目ではあると思うのですが…

電池の向きも大切ですが、個人的には「電池の外し方」を書くべきじゃなかったかなぁ?と、思います。

私自身も指で外せるのは中央の電池だけ。両端は細いマイナスドライバーで慎重に外していますから(苦笑)。

この Instructions の“白眉”は、何といっても Tone Control の項目でしょう!

そこには「あなたが演奏中、そこにいる仲間に(筐体を)開閉してもらうことで、アコースティックなワウ効果が得られます。」と、大真面目に記載されているのです。

ストラトキャスターのハーフトーンのように、ユーザーから生じた使い方が製品仕様になることはありますが、まるで“COOKPAD”に投稿されているようなことが Instructions に40年前の発売時から謳われているなんて、何て素敵なことだと思いませんか?

 

ちなみに私が試した所感では、ワウ効果というよりは MXR Phase45 を彷彿とするような、浅いフェイズシフター的効果の方が印象的でした。

貴方もぜひ(お友達を誘って)トライしてみてくださいね。

もしひとりでできた方がいらしたら、迷わず動画サイトに投稿しましょう!(笑)

< Warranty(保証書)の変遷>

Pibnoseアンプには、発売時から今日に至るまで“Warrtanty Card”が付属していますが、大まかに写真のとおり 4種類のタイプがあることを確認しています。

 1.Red Label(U.S.A.製 5千番代)のもの → 左下

 2.Black Label ~ White LabelⅠ(香港製前期)のもの → 中央

 3.White LabelⅠ(香港製後期)のもの → 右側

 4.White LabelⅡ(最新の中国製)のもの → 左上

装丁にちがいこそありますが、記載内容は会社の所在以外ほとんど変わっていません。

1~3は三つ折りで表紙と裏表紙があり、Warranty Card そのものは切り離して切手を貼ると投函できるようになっています。4は表紙と裏表紙が無いだけ。

同様に中央のミシン目で切り離し、切手を貼って投函できるようになっています。

大多数の Warranty Card は投函されたか紛失されたかで、Instructions に比べて現存率は高くありません。元のオーナーは無精だったのか、はたまた何もかも取っておきたい派だったのか、こうして残してくれたことに感謝しなければいけませんね(笑)。

正規代理店(荒井貿易)経由で輸入された 7-100R には、写真のような国内版の保証書と Instructions(取扱説明書)の日本語版が付属されています。

香港製の時代はモデル名がスタンプで他の製品との共用だったようですが、中国製に変わってからは、Pignose 専用の Warranty Card(保証書)が新規に用意されています。

この “目をまわした豚” のイラストは、オフィシャルなものでしょうか?(笑)

 1.White LabelⅡ(最新の中国製)のもの → 左側

 2.White LabelⅠ(香港製後期)のもの → 中央

 3.Instructions(取扱説明書)の日本語版 → 右側

Instructions の日本語版は、結構オリジナル(原文)に忠実に翻訳されており(当りまえですが…)、オリジナルの英文も決して難しくない内容(中3の英語力があれば楽勝か?)のため、 Instructions 翻訳トライアルの原文&解答書にお勧めしたいですね。

他の輸入機材の Instructions に対しての抵抗感が薄まること、間違いなしです!

オリジナル 7-100 The Red Label 時代のレシート>

Warranty Card 以上に稀なのが、購入時の明細書です。


写真はいずれも1979年の3~4月にかけて発行されたものですが、$20.00くらいの価格差があるので、安価な方は中古品だったのでしょうか? → Usedとの記載はない。

元のオーナーに連絡して尋ねてみたいですね(笑)。

ちなみに The Red Label の売価は 1974年の発売時では $79.95.でしたが、その後は物価や人件費の高騰と共に段階的な値上がりを続け、1982年の生産中止時には、何と発売時の2倍もの $159.95.に達してしまいます。

セールス不振に苦しんだ Pignose社は、ユーザー宛に「工場直販」の大幅ディスカウントDM(ダイレクトメール)を発行したりと、かなり思い切った挽回策を打ち出しますが、残念ながら1982年で米国での生産は終焉を迎えてしまいます。

オリジナル 7-100 The Red Label の回路図>

スタンプされた住所から、80年代に入ってから発行されたものと思われます。

トランジスタやトランスの定格が記載されていないことが、いかにも残念です。

抵抗器の数値など疑問な点が多いため、現物との照合を進めているところです。

<追記>

回路図と現物との照合を進めるなか、どうやら極初期の製品の回路定数が回路図と近似していることが判明してきました。ということは、設計段階の値ということですよね?

その回路定数が、レッドラベルの時代としては末期にあたる年代にアフターサービス用の資料として流通して良いのか? という疑問が新たに沸き起こりました。終わらないなぁ…

< Pignose Industries は流転?の企業だった…>

ついでのようですが、ここまで来ると転々としたPibnose社の住所の変遷にも触れておきましょう。 Instructions や Warranty、そしてAD(広告)を見ても、LA(Los Angels)市内から近郊にかけて、数年おきに移転を繰り返していたようです。

なお番地までは省略させていただきました。

 

1.Melrose Avenue, Los Angeles → あの Beverly Hills の近くです。

2.Sunset Boulevard, Los Angeles → 1より 2kmほど北西。現 West Hollywood.

3.Covello Street, Van Nuys → LAの北西。Hollywood の山を越えた先。

4.Varial Avenue, Canoga Park → 3の住所から真西に 10kmほど。

5.East Gardena Boulevard, Gardena → LAの真南。Long Beach との中間辺り。

6.Synergy Street, North Las Vegas → 遂にLA近郊から隣接したネバダ州に移転。

 

※)Red Label の時代は 1~4まで。5以降は Black~White Label です。